アクリル樹脂の主な特徴と注意点についてです。
アクリル樹脂は建築の場面、インテリア、水族館の水槽など身近なところも含めて色々な場面で利用されています。日常生活でふれることもあるアクリル樹脂の特徴と使用上の注意をまとめました。
アクリル樹脂
略号 | PMMA(Poly Methyl Methacrylate) |
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名称 | ポリメチルメタクリレート樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂) |
呼称 | アクリル(Acrylic Resin) |
外観 | 自然色:透明(※4大透明樹脂のひとつ) |
※4大透明樹脂とはPC(ポリカーボネート・ポリカ)、PET(ポリエチレンテレフタレート・ペット)、PVC(ポリ塩化ビニル・塩ビ)、PMMA(ポリメチルメタクリレート・アクリル)のことをさします。
インテリアショップなんかでよく使用材料PMMAって表記してあるのを見ます。あれはアクリルを使った家具ってことです。
アクリルの特徴
1.透明度
透明度は以前記事にしたことがあります(参考 : アクリルの透明度 -CAP)。光線透過率は93%。ガラスよりも透明度は高いです(ガラスは92%)。
2.加工
強度、剛性が大きいため、加工しやすい素材です。切断、曲げ、穴加工から専用の接着剤で接着の加工も可能です。
3.耐光性
耐光性に優れます。長期間たっても透明度や強度の劣化は比較的少ないです。屋外看板の面板やコックピットにも利用されています。
4.対衝撃性
対衝撃強度はガラスの10倍以上ありますが衝撃には強いとは言えません。万が一破損した場合は破損部は非常に鋭利で危険ですので取り扱いにはご注意ください。ただ、ガラスのように破損時に飛び散ることは少ないです。
5.絶縁性
高電圧に強く、絶縁材料としても利用されています。
6.燃焼性
着火温度は400℃程度。直接的には引火性はありませんが、炎や高温に近づけると伸縮、変形する恐れがあります。
アクリルを使用するときの注意点
キズ・破損に対して
固くてとがったものなどを引きずるとキズがつき、修復しても擦りキズや歪みが残る場合があります。表面をふき上げる場合も柔らかい布でやさしくふき上げてください。表面に砂などの固いものがついている場合は息を吹きかけるなどして、とばした後にふいてください。
熱に対して
推奨使用温度は△40℃〜60℃程度です。80℃以上の環境下では伸縮、変形がおこる可能性が高いです。
メンテナンス時
強アルカリや有機溶剤(トルエン、シンナー類、エステル、ケトン類など)が含まれる溶剤を使用するとクレージング現象(表面に細かな亀裂が発生する現象)が起こることがあります。主にプライマー、塗料などにこれらは含まれていますが、まれに中性洗剤にも同様の溶剤が含まれているものもありますので、メンテナンスの際はこれらの物質が含まれていないことを確認して使用してください。
まとめ
いかがでしたか? 注意点を知っておけばアクリルはとても魅力的な素材になります。インテリアや雑貨、店内什器まで幅広い用途で利用することができますよ。
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